武家屋敷から花便り~芍薬に彩られて~

芍薬の産地として有名な高梁市

岡山県中西部に位置する高梁市は、豊かな自然と昼夜の寒暖差に恵まれた土地柄から、全国でも有数の芍薬の産地として知られています。芍薬は古くから「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と称えられてきました。これは、女性の美しさを花にたとえた有名な言葉で、なかでも芍薬は“すらりと立つ気品ある美しさ”の象徴。

高梁市で育てられる芍薬もまた、その言葉にふさわしい凛とした佇まいを見せてくれます。出荷シーズンになると市場には大輪の花々が並びます。丸くふくらんだ蕾がゆっくりと開き、幾重にも重なる花びらが現れる瞬間はまさに圧巻。淡いピンク、純白など色彩も豊かで、一輪だけでも空間をぱっと明るくしてくれる存在感があります。自然豊かな高梁の地で丁寧に育まれた芍薬は、日本人が古くから愛してきた“和の美”を今に伝える花と言えるでしょう。

武家屋敷を芍薬一色に彩って

江戸時代の面影を今に残す高梁市武家屋敷旧埴原家・旧折井家では、芍薬の開花シーズンにあわせて、武家屋敷を華やかに彩るイベント「武家屋敷から花便り」が開催されます。

白壁や畳、書院造りの静かな空間に、大輪の芍薬が凛と咲く光景は、まるで時代絵巻の中に迷い込んだかのよう。地元で丹精込めて育てられた色鮮やかな花々が、歴史ある武家屋敷に美しい彩りを添えます。

イベント期間中は、玄関や座敷、庭園など館内の至るところに芍薬が飾られ、格式ある屋敷と花の優雅さが見事に調和。池に浮かべられた芍薬や、柔らかな光に映える花びらは、訪れる人々を魅了します。まさに「立てば芍薬」という言葉にふさわしい、気品あふれる美しさを堪能できるひとときです。

また、武家屋敷が建ち並ぶ石火矢町は、白壁と土塀が続く情緒豊かな町並みが魅力で、城下町・高梁ならではの歴史散策も楽しめます。芍薬が彩るこの季節だけの風景は、写真愛好家や花好きの方にも人気を集めています。

丹精込めた地植え芍薬、見事な大輪の花開く

武家屋敷の庭で今年ひときわ来場者の目を引いているのが、二年前に植えられた地植えの芍薬です。地元の芍薬農家の方々が「武家屋敷でも高梁の芍薬を楽しんでほしい」との思いを込めて庭へ植えてくださったもので、今年ついに見事な大輪の花を咲かせました。

植え付けからこれまで、農家の方々は季節ごとに丁寧な手入れを続けてくださいました。花後には株を弱らせないよう肥料を施し、冬には寒さから株を守るための対策も行い、じっくりと時間をかけて育てられてきました。

そうして迎えた今年の春。しっかりと根を張った芍薬は、幾重にも重なる花びらを大きく広げ、武家屋敷の静かな庭に華やかな彩りを添えています。風に揺れるその姿は気品に満ち、「立てば芍薬」という言葉を思わせる美しさ。歴史ある武家屋敷の景観と調和した大輪の花は、訪れた人々の心を和ませています。

今年も壮観、ずらりと並ぶ芍薬の生け花

毎年恒例となっている芍薬の生け花展示では、高梁市内の歴史ある建物が華やかな花々で彩られます。今年はメイン会場となる高梁市武家屋敷・旧埴原家に12点の生け花が飾られ、座敷や縁側、玄関先など館内の各所で大輪の芍薬が来場者を迎えます。

さらに、高梁市武家屋敷・旧折井家にも5点が展示され、それぞれの建物の趣や空間に合わせた花あしらいを楽しむことができます。白壁や木造建築と芍薬の鮮やかな彩りが調和し、武家屋敷ならではの落ち着いた美しさを演出しています。

また、枯山水庭園で知られる頼久寺にも3点の生け花が展示され、静寂に包まれた庭園空間に季節の彩りを添えます。歴史ある町並みを巡りながら、それぞれ異なる表情を見せる芍薬の美しさを堪能できるのも、この催しならではの魅力です。

イベント概要

高梁市が誇る中国地方最大級の芍薬の美しさを、歴史ある武家屋敷や寺院で楽しめる期間限定イベントです。武家屋敷・旧埴原家をメイン会場に、赤い「華燭の典」や白い「ラテンドレス」など華やかな芍薬が展示され、城下町一帯を彩ります。

  • イベント名:武家屋敷から花便り ~芍薬に彩られて~
  • 開催期間:令和8年5月15日(金)~5月24日(日)
  • 会場
    ・高梁市武家屋敷・旧埴原家(メイン会場)
    ・高梁市武家屋敷・旧折井家
    ・頼久寺
  • 内容
    ・芍薬の生け花展示
    ・武家屋敷や寺院での花装飾展示
    ・城下町散策と連動した周遊イベント
  • 武家屋敷入館料:大人600円 / 小中学生300円※イベント期間中は特別料金を設定しております。
  • お問い合わせ:一般社団法人 高梁市観光協会
  • TEL:0866-21-0461