弥高山のその先へ
こんにちは。ゆるたび高梁へようこそ!
今回は高梁市川上町の弥高山のその先の穴場「穴門山神社(あなとやまじんじゃ)」へあなたをご案内。
JR備中高梁駅から車で約40分。弥高山を訪れたあと、もう少し先へ進む。脇道を入りのどかな風景を眺めつつ歩くとひっそりと鳥居が立っている。鳥居には「穴門山神社」の文字が。この鳥居こそが高梁観光の穴場、穴門山神社への参道の入口。弥高山の展望や開放感とは対照的に、ここから先は空気が変わる。観光の延長というより、「少し奥へ踏み込む」感覚を覚える場所である。
弥高山へはこちらからhttps://maps.app.goo.gl/kSTPrXQXqhnM8Jie7

樹々に囲まれた山道を下る
鳥居をくぐると、道は山の斜面を下るように続いていく。両側を覆うのは深い樹林で、足音と風に揺れる葉擦れの音だけが響く。舗装はされているものの、整備されすぎてはいない。岡山県指定天然記念物「穴門山の社叢」の古い看板が。「指定地内の鉱物、植物を取ったり荒らしてはいけません」とある。鎮守の森にいる。この山道そのものが、日常から離れていく神聖な道に感じられる。穴門山神社は山の上にあると思っていたが、山を下り谷へ向かう。
途中、山道の脇にごつごつとした岩壁が並ぶ。角度によっては人の顔に見えなくもない岩も。歴史の中へ入っていく神々しさを感じながら誰とも会わない山道を行く。

突如現れる神社の静かな存在感
谷へ下ると突如、小さな社殿が姿を現す。自然だけが続いてきた視界に、はじめて人の手が加わった風景が入り込む。本殿や拝殿は焼失により江戸時代に再建されたもの。決して華美ではない。むしろ渋さが漂う。岩や森と調和する佇まいからは、長い時間を静かに受け止めてきた場所だけが持つ重みが伝わってくる。本殿へはここからのぼり道となる。

歴史があるのに、知られていない場所
穴門山神社は、平安時代に編纂された『延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)』に記される備中国屈指の古社で、創建は崇神天皇の時代とも伝えられている。紀元前44年、2790年以上前の創立とされる。もともとは社殿よりも、背後にある岩窟や湧水そのものが信仰の対象だったと考えられている。山や岩、水といった自然を神とする古い山岳信仰が、この地に神社を生んだ背景にあるという。穴門山神社は岡山県の重要文化財に指定されている。

自然と神との調和
本殿の背後は切り立った岩壁で迫力のある風景。脇には岩が大きく口を開けた鍾乳洞があり、伊勢皇大神宮のご神体の神鏡が祀られている。近づいて中を覗いてみた。周囲には誰もいなかったが、立ち入るのはやめた。運気が下がりそうだったので。

穴門山神社は贅沢な穴場であった
これほど古い歴史と文化財的価値を持ちながら、穴門山神社は広く知られているとは言いがたい。その理由は簡単に辿り着けず、派手な見せ場も用意されていないからである。しかし、それこそがこの神社の魅力でもある。弥高山のすぐ先に、静かで深い時間が流れる場所が残っている。その事実に気づいた人だけが味わえる、贅沢な穴場なのである。
弥高山とあわせてぜひ訪れていただきたい。
穴門山神社はこちらからhttps://maps.app.goo.gl/XTte6iqixzkgGYaK8


