甘い誘惑。城下町のその奥へ
高梁市中心部のレトロなまちを歩いてみる。ゆるたび高梁レトロ散歩のつづき(その①はこちらhttps://takahashi-okayama.jp/archives/110)。
栄町商店街を北へ抜けると、高梁の銘菓「つちやゆべし本舗・天任堂」が見えてくる。こちらは天保年間創業、180年以上の歴史がある。ゆべしとは柚子を材料とした餅菓子で、高梁では古くから作られてきたが、今はこの天任堂1軒のみが残る。

6代目店主に案内され、製造現場を見学させていただく。大きな餅つき機が動いていた。秘密工場のようで味わい深い。道具が乏しい時代、冷蔵庫替わりに地下倉庫に氷と柚子を入れて保管していた。今も名残りがある。つきたて、出来立てのゆべしは、しばらく寝かせてほどよいかたさに。天皇陛下へ献上された誇りと実力が店内に漂う。
ゆべしや柚子最中を大切な人へのお土産に買って帰ろう。https://maps.app.goo.gl/kJ3eBypicKuy6oNX8

赤いポストがお出迎え。銀行跡の印刷所
古いまちなみを歩くと赤いポストが目印の古い印刷所がある。ここは特別な許可を得なくては立ち寄ることができない。高梁のレトロスポットをめぐり写真におさめるウォーキングが不定期で開催されている。その時に特別に覗かせていただいた。建物の中は天井が高い。かつて銀行の支店だったという。傍らに鎮座する重厚な外国製の印刷機は数年前まで現役だった。

小さな活字のつまった棚の前で、思わず自分の氏名を1文字ずつ探してみたくなった。これで名刺や贈り物カードなど刻印して作れたら楽しそうだ。
https://maps.app.goo.gl/akHAyk6nWUbzpkkq6

昔の造り酒屋のふるさとギャラリー
『稔自慢』という清酒をつくっていた酒蔵が残っている。現在、酒づくりは行っていないが、酒屋としてはご健在。店の一角には高梁のまちの横顔を紹介したコーナーがある。高梁がとりあげられた雑誌や書籍、映画ロケの資料などが並ぶ。ケース内に飾られた徳利には映画俳優のサインも。ここは城下町のふるさとギャラリー。地酒の瓶が並ぶ店内をゆっくり眺めていたい。レトロでノスタルジックな事務機器や店舗備品も奥に見えた。
堅牢な扉は時々開かれる。以前、サービス精神旺盛の店主に、酒蔵だった場所に案内されたことがある。静まりかえったその場所には、テーブルとイスが並び、特別な宴にもってこいだと思った。https://maps.app.goo.gl/AEtXcR2XtyYoSVdC8

貴重な看板に心躍る
城下町・高梁を散歩していると、思わずカメラを向けてみたくなる珍しい風景に出会う。商店のレトロな看板もそのひとつ。
かつては人口も多く栄えた通り。まちの発展が電気屋さんとともにあった時代を偲ばせる。三種の神器が飛ぶように売れた時代が高梁にもあった。
この旧家電メーカーのブランド名を知ってる若い人は少ない。
レトロな城下町を地元の高校生が帰宅していく。レトロな看板が通りの高校生を見下ろしていた。

レトロフォトウォーキングのご紹介
時々、「高梁レトロフォトウォーキング」と銘打ち、いにしえのまちなみを歩いて写真におさめるというツアーが開催されている。
機会があれば、ぜひご参加を。11/15(土)『高梁レトロ・フォトウォーキング』 のお知らせ – ゆるたび高梁

