昭和の面影の残る高梁のまちを歩いてみよう。新たな発見が待っている。

鎌倉時代の備中松山城築城以来、歴史と文化の中心となって栄えた備中高梁。数多くの史跡が残る歴史ロマンのまちであるが、近代についても隠れた名スポット、珍スポットが点在する。まずは備中高梁駅西口からほど近い、アーケードのある栄町商店街から高梁の町なみ散策。レトロ感あるまちを歩いてみた。

アーケードの入り口に佇むみどり旅館。昭和元年の創業。100年の歴史のある現役老舗旅館は、増築をしていない3階建ての木造建築物。
とても貴重。

玄関には珍しい品々が並ぶ。レトロな電話、城下町を感じさせる甲冑武具。1階に共同の浴室、2階に客室。3階はいまは使用されていない。昭和、平成、令和の旅人を照らしてきたクラシックな灯りが目を引く。素泊まり宿として重宝されている。
「みどり旅館」素泊まり 1泊4,400円(税込) 0866-22-2537
みどり旅館はこちらhttps://maps.app.goo.gl/Cjx5tfKHaN3swE1N7
純喫茶のクリームソーダでひといき

「階上喫茶 朝霧」は栄町商店街の2階にある喫茶店。「階上喫茶」とは階段やエレベータで2階以上にあがる喫茶店を指す。色彩豊かな食品サンプルが並ぶショーケースを眺めつつ、急な階段を2階へ上がると昭和レトロ感満載の居心地のいい喫茶店にたどり着く。昭和52年開店。

テーブルの灰皿が印象的。店のマッチをいただいた。若い人は喫茶店の灰皿もマッチも見たことがないらしい。
「目に言う」と書かれたメニュー表からクリームソーダを注文。その瞬間、高校生に戻った気がした。昭和の青春の味。高梁昭和レトロ。
階上喫茶「朝霧」 クリームソーダ 650円(税込)
喫茶「朝霧」はこちらhttps://maps.app.goo.gl/TRbs2SVEq63YRcz8A
いまはなき映画館の痕跡を訪ねてみる

かつて高梁のまちには映画館が4館あったという。ギフトショップ「松栄」は元々松竹系の映画館「松栄館」。映画以外にも芝居の上演も行っていた。娯楽を求めて多くの人が集まった。その中のひとりがのちに映画評論家となる少年期の水野晴郎氏だった。店のショーウインドウには映写機や水野晴郎氏のサイン色紙を見ることができる。

時代の流れとともに松栄館は「館」を閉め、「松栄」となった。駐車場に入って天井を見上げてみよう。映画館だった頃の面影が今もそこにある。高梁レトロスポット。

松栄は高梁土産も扱っている。岡山県産の柚子果汁を使用した山サイダーはいかがでしょうか?「山で飲むと美味い!」とあるが、まちでも美味い。
「山サイダー」 300円(税込) 販売者:成羽町吹屋 (株)佐藤紅商店
ギフトショップ松栄はこちらhttps://maps.app.goo.gl/ubitkMJG7ZNBJKnd8
過去と未来が交差する商店街

シャッターの下りた商店街に、地元の若者が足跡を残している。最近ではそんな若者が集まる個性的な「場」もあるという。
過去と未来が交差する栄町商店街を抜けて、高梁レトロ散歩をもう少し楽しんでみる。